クロ * Full picture of the plan * Ⅳ

“過去”向日葵 side




ぼくがまだ4さいのころ。



ぼくにはほんとうのははおやとちちおやがいない。



でもかわりに、ぼくには"パパ"と"ママ"がいた。



おじーちゃんがいて、おにーちゃんがいて、ききがいて、"来蘭"がいた。



…でもぼくはきらわれていた。



ほんとうのこどもじゃないのに、パパとママにあいされたから。



…ぼくのせいで、パパも、ママも、来蘭も、



死んじゃったから。



ほんとうのかぞくがいなくなったのに、"部外者"のぼくが生きのこったから。



……でも、ぼくは‥‥



死にたかったのに



こんなことなら、死ねばよかった。



……ぼくなんか、生まれなければよかったのに。



-ぼくが4さいになった8かご。



7がつ20にち。てんきはかいせい。



ぼくは、"ボス"にであった。



ふらふらってほそいみちをあるいていたら、うしろからしろいぬのをおしあてられた。



…きがついたら、まっしろなみっしつにとじこめられてた。



はじめてみたくろい"首枷"、"足枷"、"手枷"。



うごかしても、ぶつけてみても、きずひとつつかなかったくろい"枷"。



…でも、ふしぎときょうふはなかった。



"死ねるのかな"っておもったから。



死んだら来蘭にあえる、っておもったから



…じぶんの"罪"をわすれて。



ギギィィ--



しろいみっしつでめをさまして、たいかんで1じかんくらいがたったころ。



ゆいいつある1つのとびらがおとをたててひらいた。



「……だれ…?」



はいってきたのはパパたちよりちょっととしうえくらいのおとこのひと。



「…山中信志だ。」



「やまなか、しん、じ‥‥??」



「嗚呼。
そしてお前は今日から"クロ"だ」



「ぇ…っ??ちが、ぼくは、、」



「いいか。お前はクロだ
そして俺はお前の"ボス"だ。いいな?」



まがおだったかおがいきなりこわいかおになって、ぼくはちいさくうなずくことしかできなかった。


< 292 / 386 >

この作品をシェア

pagetop