クロ * Full picture of the plan * Ⅳ

森本京 side




京「…まぁ、前置きはそこまでとして。



俺たちしか知らない"あの事件"については俺から話す。



多分3人の中では一番周りが見えてたと思うから。



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-今から13年前。



あの悪夢の事件が起こったのは、百桃と出会ってからあと2ヶ月で1年になる頃だった。



あの日は6月10日。



当時高3だった俺と飛鳥と雷、大学へ進学した葵絆もその日は休日で休みだった。



姫である希輝は他の下っ端に預け、俺たち4人と事情を知る楓を含んだ5人の下っ端たちと一緒に、百桃とある倉庫に来ていた。



いつもいつも幹部室だけで遊んでいた百桃を見かねてタツさんが用意してくれた小さな倉庫。



小さいけど、数人で遊ぶ程度ならむしろ広いくらいで、百桃も気に入っていた。



その日は生憎の曇りで今にも雨が降りそうだったが、倉庫の中では関係なく、ただいつものように遊んでいたんだ。



そんな中"あの事件"が起きたのはそろそろ帰ろうと言っていた、夕方近くだった。



全員の意見が一致し、遊び道具などを片付けていた。



そして、帰ろうか。と立ち上がった瞬間だった。



ガチャンッッ



「「「「「「「「「「っ!!??」」」」」」」」」」



鍵を閉めていたはずの扉が、大きな音を響かせてゆっくりと開いた。



雷「だっ、誰だっ!!」



この倉庫の場所は先代と俺たちしか知らない、小さな倉庫だった。



それでも、念の為と常に鍵を閉めて遊んでいた。



鍵は葵絆の所持する鍵とタツさんの所持する鍵の2本のみ。



??「さぁ?誰だろうなぁ??」



俺たちに気配を感じ取らせることなく、その人物は自ら鍵を開けてひっそりと入ってきた。



…その時の俺の頭には何故鍵を持っているのか、何故この場所がわかったのか、なんて疑問はなかった。



ただただ百桃の存在がバレてはいけないと、その人物に漂う雰囲気でわかった。



確実に"彼"が狙うのは俺たちではない。



"百桃"だということが。



京「も、も……?」



百桃を一刻も早くここから離れさせなければと後ろにいた百桃に振り返った。


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