クロ * Full picture of the plan * Ⅳ

藤井伊織 side




神楽「ねぇ、そういえば今日向日葵が来るってホント?」



俺、琥珀、陽向、神楽の4人でテーブルを囲むように座り、トランプをやっていると、唐突に神楽が口を開いた。



陽向「あ、うん。そうみたいだな」



俺の隣に座っている陽向がトランプに集中しながら軽く答えた。



琥珀「…上がり。」



神楽「えぇー!また琥珀が一抜け!?

…でもさー、いつ来るとか聞いてないの?」



陽向「琥珀おめでとー。

俺は聞いてねぇよ?和月たちから聞いただけだし。」



伊織「……俺も上がり。」



向日葵の話題に口を挟むことなく、俺は二抜けした。



神楽「うっそー!伊織も!?

じゃあ琥珀は?聞いてないの??」



陽向「えぇ!?伊織も抜けたのか!

琥珀なら知ってんじゃない?昨日、向日葵に会ったんでしょ??」



琥珀「ぅえ!?」



向日葵の話題を続けながらもトランプの手は止めずに続ける2人を、抜けた俺と琥珀は見ていた。



神楽に続いた陽向の言葉に、思わず変な声を出した琥珀だけでなく、俺も反応し、顔を上げた。



琥珀「…ぇ、なんで?」



陽向を凝視しながら目を見開く琥珀は、なんで知ってんだ。という顔をする。



陽向「え?だって、琥珀が夜に行くところって言ったら琳のとこか、向日葵のとこでしょ?

でも、琳のとこだったら琳に起こされて、もっと早く帰って来るだろうし??
そしたらもう向日葵と会ったとしか。


あ、俺上がりー!」



神楽「うわ!負けた!!」


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