サバイバル学園
〈 今日は生き残ったけど、明日はどうかわからない。

学ちゃんやレスラーだって死んだんだ。

もしかしたら、オレだって…… 〉




オレがそんなことを思いながら、校舎の屋上で夜空を見上げていたとき、
突然、舞子がオレのとなりに並んで、オレに話しかけた。




「虎男、どうしたんだよ。

こんなところで、夜空なんか見上げてさ」




「何だ、舞子かよ。

急に話しかけてきて、驚かすんじゃねぇよ」




「虎男の後ろ姿が、さみしそうだったから、私が声をかけてあげたのよ。

どう? 私って優しいでしょ」




舞子はそう言って、オレに微笑みかけた。




幼なじみだった舞子が、いつの間にか女に見えても、オレはそんなことを舞子には言えなかった。




オレたちには、幼い頃から築き上げた関係がある。




オレたちは仲間で、恋人じゃない。




オレはいつまでも舞子と変わらぬ仲間でいたかった。




自分の恋心を隠しても……。
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