サバイバル学園
尻を撃たれたライオンが、怒りをあらわにしてオレたちの方に走ってきた。




ライオンとオレたちの距離は、15メートル。




オレたちは死への恐怖から、考える余裕もなく、その場から逃げ出した。




〈 人間は猛獣には勝てない……。

逃げなくちゃ……。

早く! 〉




オレの心臓が早鐘を打ち、オレの本能がオレに訴えてくる。




ライオンと戦うなって……。




そしてそのとき、学校の廊下に再び銃声が響いた。




オレたちは、その銃声を聞きながら、3年1組の北側にある階段を駆け下りた。




そして一階の昇降口まで全力で走ると、オレたちは肩で息をしながら、廊下の隅で顔を見合わせた。




「ライオンが廊下にいたよ。

どういうことなの?

朝陽学園は、動物園にでもなったの?」




美愛が怯えながら、震える声でそう言うと、レスラーが顔面蒼白で、つぶやいた。




「反則だよ、校内にライオンだなんて……。

さっきのライオン、体長3メートルくらいはありましたよ!」
< 45 / 638 >

この作品をシェア

pagetop