サバイバル学園
〈 夢が叶うイベントだと思って、オレはサバイバルイベントに参加したのに……。

このイベントは、夢を叶えるどころか、たくさんの命を奪っただけだよ。

チクショー。

オレ、死にたくねぇよ。

オレは猛獣のエサなんかになりたくねぇ 〉




猛獣がオレの存在に気づかずに通り過ぎてくれれば、オレは助かる。




イベント終了まで、あと一時間だから……。




オレはそう願って、目を閉じた。




まるで自分が校舎の構造物の一部になったかのように、息を潜めて……。




それなのに、猛獣のうなり声は、しだいにオレに近づいてくる。




〈 来ないで……。

お願いだから…… 〉




オレは心の中で、強くそう願ったが、猛獣のうなり声が、ついに間近で聞こえて、ドキリとして目を開けた。
< 591 / 638 >

この作品をシェア

pagetop