君が笑うなら。。。
第1章 笑顔にするにわ?
窓辺の席に座っていつもただ1人でひたすら読書にあけくれる。それが杉浦日向の日常である。そしてクラスのみんなもその光景が当たり前でありなんの疑問も持たないのである。そして誰1人話しかける事はない。話しかけてもよい結果が待っていないことはみんな分かっているからだ。

中西「まさか無理~とかいわないよな?」

中西が挑発的に言う。

日比野「ま、まさか、お、男に二言はねぇ!!」

日比野は大きく深呼吸をする。
よし!っと小さな声で自分を震えたたせ杉浦の席へと向かう。
そう、罰ゲームをこなすために!!

杉浦の席の前に着き若干の緊張を隠しながらも日比野は考えた。

日比野(こうなったら今季、渾身あのネタしかない!!)

中西と神田はニヤニヤしながら日比野を見ている。
そして日比野は声をかける。

日比野「杉浦。」

杉浦は呼ばれた声の方に顔をあげた。
そして日比野は叫んだ。

日比野「はぁぁ~・・・イ◯キ!!!」

あるお笑い芸人のネタをまるパクりしたような感じで顎を前に出しながらアイーンポーズ。
最早なにがしたいのかわからない状態である。
杉浦はその光景を無表情で見続けていた。
そして少したつとまた本に視線を戻した。

あまりの無反応さ加減に冷や汗が止まらない日比野。その光景を笑いを堪えながらみる悪友二人。そしてクラス中にいるもの達の時間も止めていた。

日比野(ぐぅ・・・頼むから何か言ってくれよ!!この状態は辛すぎるぞ!!)

そう思いながらも相手からのリアクションを待っているが一向にない。まだ杉浦にネタを見せてから十数秒もたっていないがその時間が永遠に感じた。
しかし突如、その永遠は解かれた。

杉浦「いつまでやってるの?」

おとなしく落ち着いた声で日比野に問う。
目線は本から全く外していない。

日比野「え!?いや~そのぉ~・・・」

突然の事にうろたえる。しかし何と返していいか全くわからない。そうこうしているとまた杉浦が一言。

杉浦「邪魔だし、面白くもなんともないからいい加減どっか行ってくれる?」

素直な感想で冷たくあしらわれた日比野。
トボトボと杉浦の席を後にし席に戻るのであった。どうやら相当こたえたようだ。

席に戻ると悪友二人が大爆笑していた。

中西「アッハハハ!!何だよ!あのギャグ、完全に滑り芸じゃねーかよ(笑)」
神田「ぶっくくく、あの冷静なまでの返しには流石に笑いを堪えきれなかったぞ」
日比野「お前ら、ぜってぇ殺したる!!」

ワー!ギャー!と叫びながらじゃれあう3人の姿をみる生徒達。

生徒A「相変わらずバカやってんなぁ」
生徒B「まぁ、青葉西のアオバカトリオだからなぁ」

そうこうしていると2限目を告げるチャイムが鳴るのであった。
< 7 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop