王子な秘書とシンデレラな御曹司

おまけ



 次の朝。

一言で表すと

濃厚な一夜。
意味はおまかせいたします。

裸のままベッドで目を覚ますと
彼の姿がない。

時計を確認すると午前9時

こんなに寝てたの?

パジャマの上を着て居間に行くと、キッチンでお湯を沸かす彼がいた。

「おはよう」

寝ぐせが可愛い。

「おはよう」

ストンとソファに座って私も挨拶。

テーブルの上には昨日買ってきてくれたパンが並ぶ。

「ミルはないんだよね」

「ごめんね。普通のコーヒーメーカーしかない」
豆はないのよ。
粉しかない。

「今度持ってくるね」

彼の言葉にちょっと考える。
こだわり派の啓司さんの事だから
なんだか
すごいの一式持ってきそうだな。

「パンが美味しそう。レンジかトースターで温めようか。どれ食べる?」

「僕はクロワッサン以外ならどれでもいい」

「クロワッサン嫌い?」

「昔は好きだったけど、なぜだろう。自分でもわからないけど、クロワッサンを見ると最近怖い」

「怖いの?」

「この数週間で……クロワッサンを拒否する自分がいる」

どうしたんだろーって啓司さんは考える。

本当だね
美味しいのにねクロワッサン。

私は手を伸ばしてパクリとクロワッサンを味わった。







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