だって、キミが好きだから。


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2016年 1月30日 土曜日

今日は琉衣が病院まで来てくれた。

まさか来てくれるとは思ってなかったから、ちょっとだけビックリしちゃったよ。

あたしの異変に気付いた琉衣は、何か出来ることはないかって言ってくれたけど。


思い出なんてあたしには必要ない。


あってもツラいだけだもん。


その分あとで泣くだけになるのなら、あたしには思い出なんか必要ない。


腫瘍はどこまで大きくなるのかな?


まだ成長を続けるの?


あたし……これからどうなっちゃうんだろう。

たくさんの人の思い出に残りたいのに、自分の中には思い出を残したくないって矛盾してるかな?

わからない。


わからないよ。


ねぇ……どうすればいいかな?


結局答えなんて見つからないんだよね。


琉衣は琉衣のままでいてね。

そんな琉衣が……あたしは好きだから。


リン君は今日も、琉衣が来てて嬉しそうだった。

あたしのことなんて目に入ってないって感じだったから、ちょっとだけ妬けちゃったよ。

あたしとの方が付き合いも長いのにさー。

でも、相変わらず可愛かった。

また絶対会いに行くからね。



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