だって、キミが好きだから。
「え?マジで振られたのかよ?お前でも振られることってあるんだ」
「うっせえ。関係ねーだろ、お前には」
ちょっと黙ってろよ、マジで。
目に涙まで浮かべて笑いやがって。
「否定しないってことはマジなんだ?」
「俺、北上さん尊敬しちゃうわ〜!」
「ブラボー、北上!」
「何て言われて振られたんだよ?」
ニヤニヤしながら、肩を組んで来る朔真の腕を思いっきり払いのける。
「誰が教えるかよ」
「あ、彼氏がいるからごめんなさいとか?」
「いや、チャラい人とは付き合えませんとか?北上さん、かなりピュアっぽいもんな〜!ちっこくて可愛いし、守ってあげたくなるっつーか。サラサラのストレートの髪も、男心をくすぐるしな」
「肌スベスベだし、思わず触りたくなるよなー。クリッとした目が俺的にはたまんねー。北上さんもモテてるけど、お前には似合わねーよ」
どいつもこいつも。
人の不幸を笑いやがって。
しかも、北上って意外にモテてんだな。
初めて知ったけど、何だか胸の中がモヤッとしていい気分じゃなかった。