だって、キミが好きだから。


水も滴るいい男って言葉がピッタリなほど、今の琉衣は色気がたっぷりで。


ドキンドキンと鼓動が大きく飛び跳ねる。


やだ、あたしったら。


こんな時にドキドキするなんて。


恥ずかしすぎるよ。



「髪の毛……まだ濡れてるよ。ちゃんと拭かないと風邪引くから」



あたしの髪を拭いてくれてたバスタオルをそっと掴んで、今度は琉衣の頭にそれを持って行く。


だけど、チビのあたしには手を伸ばしても琉衣の頭には届かない。



すると、見兼ねた琉衣がその場であぐらをかいて座ってくれた。



「拭いてくれるんだろ?」



下から見上げられて、心臓が激しく音を立てる。



「う、うん」



キリッとした目がすごく色っぽく見えるのは気のせいかな。



キス……したいな。


なんて。


でもほとんど琉衣からだし、たまにはあたしからしてみるのもいいかもしれない。



あたしだけがこんなにもドキドキしているのは嫌だから、ワガママだけど琉衣にも同じようにドキドキして欲しかった。


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