偽悪役者
12年ぶりの再会
警視庁刑事部

捜査一課 第一特殊犯捜査

特殊犯捜査第2係



ここは、脅迫や恐喝といった案件を取り扱う部署だ。


犯人捜査や警護を兼ねた潜入捜査も行っている。





この2係に属する、柊静音(ヒイラギ シオン)巡査部長25歳は、常々あることに困っていた。



「今日も誘われたって?めげないねぇ、あの男も。」


「止めといた方が良いですよ。総務課にいた頃は全員、柊さんが来る前には私だって、口説かれたんですから。」



2係の事務員である、48歳の幡牛(ハタウシ)と23歳の遁苺(トンボウ)コンビが注意を促す。



「心外ですね。確かに、昔遊んでいたのは反省するところですが、今は柊一筋です。」



会話に割って入ってきたのは、話題の中心、椎名(シイナ)巡査部長37歳だ。



元総務課に属しており、警察の前は会社員という変わり種。


爽やかな雰囲気とは裏腹に、警視庁きってのプレーボーイと名高い。



1年前に移動してきた柊がタイプだったようで一目惚れしたらしい。


それ以降猛アタック中だが、今現在のところその努力は実ってはいない。



むしろ噂が回り、今では煙たがられている。
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