偽悪役者
「玲斗が犯人だとでも?私と共謀して岨聚を突き落としたとでも?」


「あ、いや……そこまでは言ってないけど…」



先程までとは違い、怒って責める様な雰囲気に椎名はたじろぐ。


無意識だろう、名前の呼び方も刑事としてではなくなっている。



「静音。椎名は心配してるだけだ。同窓会でのこと、俺もまだちゃんと聞いてなかったしな。」


「そうだね。同級生の人達とも何かあるようだし、事実関係を教えてくれないか?」



岨聚との関係が悪いと分かりきっている静音を容疑者リストから外し、なおかつ捜査に加わっているのにはもちろん理由がある。



銀行の防犯カメラの故障を知らなかったこと、最も疑われる立場にも関わらずアリバイが曖昧なこと、偽装工作をするならば警察官の静音なら靴だけでなくもっと巧妙にするはずということ。



そして、一番は篠宮と要の感じた違和感だ。


3年前の莉央と深緒以上のことを隠している。


それは、静音や岨聚だけでなく同級生達全員にいえること。



容疑者リストから外した、というより事件の全容を解明する為に静音を捜査に加え泳がしている、といった表現の方がこの場合正しいのかもしれない。
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