【完】俺が絶対、好きって言わせてみせるから。
劇の練習ではたから見学していると、悔しいほどにあの二人がお似合いに見えてくる。
二人とも王子様とお姫様、その言葉がぴったりで、正直文句のつけようがなかった。
本当なら、私がそこにいるはずだったのに。
彼女さえいなければ…。
そんな気持ちからイライラがつのって、どうしようもなくて。
だけど本当は心の中では、彼女を認めていたんだ。
認めざるをえないからまた、悔しくて泣きそうになる。
それに白雪姫の役を取られたことだけじゃない。
翼くんを取られたみたいで嫌だった。
これはただの独占欲なのか、それとも……
答えは考えなくても、すでに出ていた。
「翼くんの、バカ…」