Tell me !!〜課長と始める恋する時間
「本気で抱いてしまおうと思いました。けれど君の言う通り、空き巣が入り動揺するお姉さんにつけこむのは違うと。今のタイミングではないなと思い留まりました。けれど僕も男です。好きな女を目の前に何もせずなんてそんな修行僧みたいな事は出来ません。」


課長……修行僧?


いやいや、そこはスルーしておこう。


それよりも、私の事、好きな女だなんて……


「姉ちゃんの事、本当に好きなのか?」


「ええ、まだその思いに気付いたばかりですが、僕はお姉さんの事が好きです。」


「姉ちゃんは?」


「当たり前でしょう。好きだよ。」


弟の前で告白すると言うのも何とも照れるけれど、マサルを納得させるためなら何度でも言うからね。


「分かった。」


「ほんとに?納得した?」


「うん、納得した。だからーーー」


だから?


「ブラサン追加ね。」


「は?」


「ん?だからブラサン。ブラックサンダーもう一箱追加ね。それでここの事はパピーとマミーに黙っててやる。」


ここの事と言いながら首元指差す。


キスマークの事?


「ちょっと、そんなの普通は黙っておくことでしょ?ブラサン追加ってどういう事よ。調子に乗るんじゃないわよ。」


「えー、だって俺っち口軽いもん。ブラックサンダーでお口塞いでおかないと黙ってる自信ないなぁ。」


腹立つぅ、軽いのは口だけじゃなくてあんたそのものだろがっ。


て、言ってやりたいけど言うと余計にややこしくなりそうだからね。


「羨ましいものです。」


「「はっ?」」


突然、私達のアホな兄弟喧嘩に課長が割って入ってきた。



< 124 / 211 >

この作品をシェア

pagetop