Tell me !!〜課長と始める恋する時間
顔を引き締め大人しく食べる私。


うっ、この静けさの方がよっぽど喉を通らんわ。


なーんて、言える訳もなく。


あっ、そだ、聞きたい事あったんだ。


しっかりと噛んで飲み込むともう既に食べ終わっている課長に聞く。


「課長は甘いものお好きでーーー」


「結構です。」


待て待て待て待てぇーい。


まだ、言い終わってないよ?


今、被せた?


かなり、被せたよね?


めげるな私、さあ、今年も変わらずポジティブシンキング!


それにさ、もしかしたら、結構じゃなくて結婚したいですって言ったかもしれないしっ。


「あのぉ、課長はあまーーー」


「入りません。チョコレートは遠慮させて頂きたい。」


チーン……


私の中で終わりを告げる音が寂しく響いた…


って終わらせちゃ駄目でしょ?


「ならば甘くない何かをーーー」


「お気遣いなく。」


また被せてきた?


せめて最後まで言わせてよ。


「何でですか?来月、バレンタインですよ?私、課長に受け取ってもらおうと色々と考えてーーー」


その途端、鋭いアイスビームで撃ち抜かれる。


しまった。色々とじゃ駄目だよね?


具体的な案を出さなければ……って会議じゃないんだからね。


「とにかくですね。私としては日頃よりの感謝の思いも合わせて課長に受け取って頂きたく思う訳です。それで課長の好みを知る事が出来たのならと思いまして。」


課長だって製菓会社に勤めてるんだし、しかもバレンタインの意識調査なんて恐ろしいくらいデータ取ってるじゃない。


私はたった一人、課長のデータを知りたいと言ってるんだから教えてくれたって…


いいと思うのにな。


こういう事があるとやっぱり思ってしまう。


私の事を好きだと言ってくれたけどやはり本気と言うには程遠いのかもしれないって。


どこかその思いにまだ見えない線を引かれている気がしてならない。











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