生徒だけど寮母やります!2

景は瞳からこぼれ落ちそうになった涙をとっさに手の甲で拭う


3メートルほど離れた先でルークと以倉双子と共につり革につかまってこちらをジトッと見ているライに、思わずフルフルと首を振った


.....ち、違うの!


《.....何が》


テレパシーを使ったのか、ライの声が景まで届く


《えっ.....いや、今、咲夜のお友達から届いたメッセージなんだけどね.....》


景はそのままライのテレパシーの力を借りて、彼に佐原からのメッセージの内容を伝えた


咲夜も、ライたちより更に奥に立ってつり革につかまっている市河と結斗にスマホ画面を向けている


市河はしばらく目を瞑ってからゆっくりと開き、透視能力を使って画面の内容を読んだ


読んでいくうちに、彼の表情は切なそうに歪んでいく


そして、若干涙目で自分を見ている景に市河は微笑んだ


市河とはテレパシーは使えないが、きっと思ったことは同じだろう

読み終わった彼はそれを結斗に伝えると、結斗は安堵したような、困ったような表情を見せた



テレパシーで景からメッセージの内容を聞き終えたライも、ルークと以倉双子に伝えている


こうして全員で佐原からのメッセージを共有し終えた頃



『次は ○○○、○○○』


電車のアナウンスが次に止まる駅を告げ、結斗が反応して皆んなを見渡した



声は聞こえなかったが、結斗の口は

「降りよう」

そう動いた


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