生徒だけど寮母やります!2

「お姉さんは、それが誰なのか分かってるんですカ?」


ふとそう尋ねたルークに視線が集まり、結斗の姉は首を振る


どこからどう見ても生粋の外国人ルークに完璧な日本語で尋ねられ、少し驚いた様子を見せたが、彼女は正直に答えてくれた


「いいえ、本当に何も知らないの。私も、母が心配で有給を取って仕事を休んでこっちに来てるだけだから.....」


「なら、お母さんが全てを知ってる訳ですネ?お母さんはどちらに?」


ルークのその質問には結斗が答えた


「母は本当に気が弱い人で、こんな状況になってからずっと部屋で寝込んでるんだ。ねぇ、姉さん.....母さんがこれを知ったら.....」


「んー.....倒れるかもしれないわね。一応詳細は伏せて、ハナちゃん.....もとい景ちゃん?のお姉さんが家に来た経緯を聞きましょう」


姉の言葉に、結斗は「そうだね.....」と頷く


この一連の騒動の行き着く先は、一体どこになるのやら


心が休まることがなく

自分だけじゃない


結斗も、みんなも疲れきってないか心配だ


景はリビングの隅にある犬のゲージを見つめ、一体どんな気持ちで三カ月


この中で姉が飼い犬として過ごしたのだろう思うと、軽く目眩がしそうだった


というか

目眩がした
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