生徒だけど寮母やります!2


「何だ『今は』って.....あいつ好きな子いんの?」


アカギは首を傾げて爽馬の後ろ姿を見送る


「なぁ?あいつ恋愛に興味ねーんじゃなかった?」


ハナは視線を自分に向けるアカギに気づき

「う、うん。どうなのかしらね。そうなのかも」


と曖昧に答えた


「.....まぁ、俺が知らねーこと、お前が知ってるわけねーか」


「うん.....」


アカギはなぜか戸惑いながら頷くハナを数秒見つめる


そして

「あのさ」

と話を切り出すと、一口オレンジジュースを口に含んでから話し出した


「大きい声じゃ言えねーけど、今回の‘‘侵入作戦”.....お前無理だと思ったら断われよ」


「え?」


「俺らがやらされようとしてんのは、犯罪だからな?首謀者が小高幹部だとか、妖術結社が黙認してるから大丈夫とか、そんなことは関係ない」


「..........え.....あの.....」


急に言われてキョトリとするハナに、アカギはさらに声のトーンを落とす


「だってお前、聞いたけどよ、犬に変化して、飼い犬のフリして伊吹グループ本社での長期潜伏なんか任されてんだろ?んなことまでやることねーよ」


「それ、誰から聞いたの.....?」


「この前、別の会合に出た時に色々知ってそうな由馬さんから聞き出した。小高の長男な」


ハナは「あぁ.....」と頷くと、視線を落として数秒黙る


「お前、思ってることビシッと言えねー性格みてーだから」


どうしてこんな忠告をしたのか、付け足すようにアカギが言うと、ハナは首を振った


そんな彼女の様子に、アカギは眉を顰める


「何が違うんだよ」


「.....全部違うのよ.....。私はこの件、しっかり自分の仕事を成し遂げたいと思っているし、もし嫌ならしっかり断ってるわ。だって私.....思ってること、人に言えないような性格じゃないのよ」


「..........は?」


ハナはアカギに対して苦笑いすると、空になった朝食のプレートを持ってその場を去った


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