生徒だけど寮母やります!2




その日の朝食は、いつもよりも豪華に作ってみた


「これすごーく美味しい!」


テーブルをみんなで囲む朝食の場で、満宵が一口食べてそうはしゃいだのは景が作った豆花(トウファ)


これは台湾発祥の豆乳を使ったスイーツで、兼ねてからオヤツに作ろうと思っていたもの


初めて作ったので少し不安だったが、それぞれが美味しそうに食べる顔をて、景は胸をなでおろした



「良かった.....。昨日はみんな頑張ってくれたから、朝から元気になれる甘いもの食べてもらいたいと思って作ってみたんだけど.....もしかしたら、男の子はあまり朝から甘いものは食べたくないかもって」


「そんな奴おったら俺が貰うからモーマンタイ」


「おいしいよ、景ちゃん」


テーブルを挟んで向こうに座る弥隼と結斗が親指を立てて笑いかけてくれて、景は少し得意な気持ちでフフッと笑った


ちらりと横に座るライを見ると、彼も黙々と食べてくれているようだ



ライは.....いつもと変わりない


.....昨日のことを思い出すと、顔が赤くなりそうで怖いなぁ


そんなことを思っていると、こちらに少し視線を向けたライと目が合ってしまい、心臓がドキリと跳ね上がる



「ラ.....ラ、ライは朝から甘いもの大丈夫だった?無理して食べてない?」


「ラララライ?」


「ちょっと咲夜.....」


咄嗟に尋ねる景に、ライはしばらく自分の豆花のお椀を見つめて沈黙した



「.....大丈夫だろ、ほぼ食ってんじゃん」


市河の言葉を華麗にスルーし、ライは


「じゃあ俺の残り、お前にやるよ」


とスプーンを差し出す


「えええ」


「おお?いっちー見たか、あいつ朝から大胆だぞ」


「ほらやっぱり俺らの代はミヨちゃんよりセクハラが重いだろ?咲夜」
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