生徒だけど寮母やります!2

小田は「弁護士が必要なの?」と驚いたように呟く


しかし彼らの真剣な表情を見て嘘をついているとは思えなかったのか

「それで探しているのね」

と納得してくれた


「はい.....その人がどこにいらっしゃるかご存知ないですか?」

結斗が尋ね

「些細な手がかりでも大丈夫です」

とライが付け加える


すると小田はクスクスと笑い始め、しばらくすると堪え切れなくなったかのように声を出して笑い始めた



「あっはっはっはっ」


「お.....小田さん?」


景が恐る恐る様子を伺う


彼女は目尻にたまった涙を指で拭った


「灯台下暗しってこういうことよね」


含みを持った笑みを見せる小田



「灯台下暗し.....?」


よく聞くことわざを復唱した市河に

「そうねぇ」

と相槌を打つ



彼女は笑いがおさまるなり真剣な表情を作ると



こう、教えてくれた



「弁護士になりたかった彼女はね、結局弁護士にはならないで、私の後を継いで保健室の先生になったのよ」




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