生徒だけど寮母やります!2



いい光景だなぁ.....

青春かよ.....!


景はライと鈴菜を見守りながらニコニコ、むしろニヤニヤする


しかしふと、横に立つ結斗の表情が引き締まっていることに気がついて

ピンッと彼の袖を引っ張った


結斗を挟んで反対側に立つ咲夜も、景を真似て結斗の袖をピッと引っ張る


何だか咲夜に対抗された気がして、景はもう一度結斗の袖を引っ張った


負けじと咲夜も再度引っ張る


「ちょっと君たち?」


「結斗なんか変だけど」


ちゃっかり頭を抱え込むように撫でてくる結斗にストレートに景が尋ねると、彼は手を離して頷いた


「俺も月沼と話してこようかなって。ライと九雷さん見てて、しっかり話して確かめないと分からないなと思ってね」


その声が、何か決意をはらんでいるようで


心が少し痛くなる


「あれから今まで月沼のこと、避けてたのか」

ライに尋ねられ頷く結斗を、鈴菜と柊も見据えた


「頑張ってな。ウチらも本当のこと聞くまでは、月沼は裏切り者なんかじゃないって信じてるから」

「わっ、私も!」


景、市河、咲夜にも力強く頷かれて結斗は息を吐き出すように笑う


「じゃ、月沼探してくるね」


片手を軽くあげ、背を向け去っていく結斗を見ながら


景は心の中で「頑張れ」と祈った




それから寮に帰るまで


校内で結斗を見かけなかった



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