生徒だけど寮母やります!2



数分後には、大浴場が生徒でごった返していた


「風呂人多ーー」

少し嫌そうに浴場全体を眺める市河に、湯につかって無防備で気持ちよさそうな結斗がクスリと笑う


「人多いって、そもそもこの寮全員で9人だけどね」

「1、2、3、4、5.....あー全員集合」

市河は人差し指で浴場にいる人数を9まで数えると、ブゴゴゴゴと音を立てて口元まで湯につかった


後夜祭で帰寮が遅くなり、みんなして慌てて風呂に駆け込んだ結果全員集まってしまったのだ


「普段ないからな、風呂に全員そろうなんて」

「ダネ」


弥隼も湯に足をつけながら、一足先に湯につかっていたルークに話しかける


市河はそれを聞きながら

「俺も一年生の頃は野郎共30人くらいと風呂に入ってたんだけどな。人間ツラい環境に慣れるのは大変だけど、楽な環境にはすーぐ慣れるからなぁ」

とこぼした


「あ、男子寮Aでの話やな。あれどういうシステムなんですか。学年ごとに入る時間決まってるんですか」


「ううん。学科ごと使う風呂違う。学年とか時間は関係なし」


市河が答えると、気持ちよさそうに目をつぶり、話を聞いているのかいないのかよく分からなかった満宵が反応する


「えっ、じゃあお風呂2つあるのっ?」

「んー。しかもジャグジーとサウナ付き。その点はまぁよかったかな」


元男子寮A所属の市河の話は興味深く、皆は感嘆の声を上げた

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