生徒だけど寮母やります!2

崖っぷちに立たされます!












* * * *





暑い



胸元はぐっしょりと汗に濡れ、Tシャツをガシッと掴んで拭う


ライは千冬とルークに加勢してからしばらくの間で、今までにないほどの電流を放っていた


対象人数が多いのもそうだが、相手があの手この手で立ち上がってくる



千冬の音霊


ルークの熱風


そして自分の雷


これらをうまく使い、相手への負傷を最小限に抑えながら弱らせるのには、どうしても根気と時間が必要だった



「千冬!ルーク!聞こえるか!?」


2階から1階へ問いかける


「「はい!!」


「苦しくなったら言えよ!!」


「先輩も無理しないでください!さっきから電気出しっぱなしじゃないですか」


「うるせー!!」


「えええ.....」


そんなやりとりを時折かわしながら、一瞬も追手から目を離さず放電を続ける


その最中で気づいたことだが、弱った何人かの追手がまるで、もう戦えないと悟ったかのように退散していた


その後ろ姿はまるで自我と欲を失ったゾンビのようにやる気が無い



それが妙に白々しかった



あいつら.....

実はまだ戦えるんじゃないか?


妖術結社の連中だとすれば、この程度でやられるような奴らじゃない


倒れ込んだ味方を捨て、諦めて引き戻るように見せかけて

歩く力の残る者は勝算ある別の方へ、ここでは戦っていなかった仲間と合流しようとしてるんだとしたら



奴らはどこか一箇所に集まるはずだ



____どこだ??



景たちは校舎に入った


校舎内を逃げ続けたら最終的にどこに辿り着く?



_____屋上



屋上だ


屋上で爽馬と景を捉えるつもりだとしたら


人数的にもこっちの圧倒的不利


すぐに加勢するべきだ



大体の追手がこちらに対する攻撃をやめたところでライは叫ぶ


「悪い2人とも、後は頼む!」


「はい!」

「OK!」


振り返り猛スピードで教室を出ると、階段を一気に駆け上がって


目指すは屋上だ


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