生徒だけど寮母やります!2

黙っておきます!






白く細い手足はすらりと伸び、長い睫毛を震わせた隆馬の姿は、確かに彼が爽馬の兄であることを確信させた



___爽馬の身長をもっと伸ばしたらこんな感じか


ライは横たわる隆馬と脳内の爽馬を比べる



しかし隆馬は目を閉ざし顔をしかめたまま動かず、最初に声を上げたのは結斗のほうだった


「ぅ......」


「「「結斗.....!」」」


咲夜、爽馬、景が声をはもらせる


彼は顔をあげゆっくりと目を開くとしばらく「自分」に確信が持てないのか不安そうな表情を浮かべていたが、目の前で心配そうに顔を覗き込む景を見て安堵の表情を浮かべた


「ぁ.....良かった.....」


結斗のかすれた優しい声を聞いて、景が目じりに涙を浮かべる


「うん、戻って良かった.....。本当に結斗?」

「そうだよ景ちゃん。ごめんね、心配かけたね。抱きしめていい?」

「へへ、うん」


尋ねた結斗に景は自分から抱き着くと、さすさすとその背中を撫でる



「面白いほど面白くなさそうな顔してるけど先輩」


ライは千加から言われて

「あたりまえだろ身体乗っ取られるようなヘマした上に役得してんじゃねえ」

と景ごしに結斗の頭を小突くと、ジトリとした視線を向けた



「相変わらずだなぁ。もう少し優しい言葉掛けてくれてもいいのにね」

結斗が景に笑いかけるのを見て、ライはそっぽを向く



____良かった、ねぇ.....


彼は結斗とゆかいな仲間たちの感動の再会(?)を横目に少しふてくされた顔をしながら、先ほどの結斗の言葉を頭の中で反芻した


これはきっと「元に戻って良かった」の意味ではない


「自分が景に薬を盛らずに済んで」「景を傷つけずに済んで」「仲間を悲しませずに済んで」


そういう意味での「良かった」だ



____あーあ、かっこいいですね


ライは横たわる隆馬に目線を落とすと


「起きた?」

と一言声をかけた

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