生徒だけど寮母やります!2



「ありがとう」


「ありがとうって.....つまんな.....自分勝手だ、ぐらい言えよ」


「ふふふ」


嬉しそうな景を見下ろして、ライも軽く鼻で笑うような苦笑いをする



「じゃあ2週間後にね。くれぐれも斎藤先生に迷惑かけないように。ナントカ2weeksとか言わないように」


「あいつらチクったのか」


「責任転嫁しない」



ライが信じられないなアイツらとでも言いたげな表情を作ったので、景は「自分が悪いからね」と呆れ半分に笑った




いつもの毎日が戻ってきた


やっと

やっとだ



取り戻した日々は、想像しただけで眩しくて透き通った細かな光りを放つ



くだらない事で笑いあえて

些細なことで喧嘩できる


全員揃って、美味しいねとご飯を食べられる


それがどれほど暖かいことか


どれほどありふれているようで

奇跡的なことなのか




「2週間後、楽しみだなぁ」


「あぁ」



もしかすると、この先の方がやるべき事が山ほどあって大変なのかもしれないけれど


みんながいるなら大丈夫だ

きっと何だって出来る


きっと勝てる

大人や沢山の理不尽にだって





「じゃあ、また。おやすみ」


「おやすみ」





今日のいい夢を見るために



2人は反対方向に向かって歩き出した






生徒だけど寮母やります!2 ーおわりー


生徒だけど寮母やります!3 へ続く





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