生徒だけど寮母やります!2
雑談のテンポで繰り広げられていく会話に結斗は多少の気持ち悪さを覚えながら、それでも流されぬよう話を進めていく


ルークは本当に、自分の正体についてバレたところで特に気にしていないようだった


「君がここにいるのには絶対に何か理由がある。それも大きな」


ルークは頷く

「なるほど。まぁ先輩がそう考えるのも分かりますヨ」

肯定的なことも言わないが否定もしない


一番厄介なパターンに、結斗はきっとこれ以上は聞き出せないのだろうと諦めたように頷いた


「とにかく、この寮には景ちゃんもいるし危険を持ち込むようなことはしないでもらいたい。そこは保証できる?」

「出来ます。これからは潮見のような人物には細心の注意を払いますヨ、心配しないでください」


彼は肩をすくめてそう言うと、自室に戻ろうと足を引き返す


しかし途中で立ち止まると、結斗に背を向けたまま

「危険というのは、俺が持ってこなくても、誰がもってくるか分からないものですよ。例えば、先輩だって」


そう残してリビングを後にした


先輩だって.....?


これは忠告か.....?


結斗は彼のいなくなったリビングで、呆然としながら彼の言葉を反芻した
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