エリート医師に結婚しろと迫られてます
三原さんは、滅多にお目にかかれない、つやつやの高級肉を、惜しげもなく網に乗せる。
「あっ…」と短く声が出る。
彼女は肉が、じゅうじゅう音を立てて焼けていく様が面白い見たいで、どんどん網に肉を乗せる。
10分もしないうちに一皿無くなる…
二千円があっという間に焼かれて無くなった。
「あり得ない…」
それで、なん皿目?
「本当よね…」
「お腹一杯になるまで、いくらかかるのよ」
「なにいってるのよ。変な人ね」
三原さんが、肉の入った皿から目を上げる。取り上げた、1枚がいくらになるのだろう。
「裕貴が、何であなたを選んだのかって話よ」私は、手持ちぶさたに網の上のこびりついな肉を、箸で一生懸命掃除している。
「さあ…」煙い…熱い…最低だ。
肉の味なんか分かんない。もう…
「さあ、じゃなくて。サッパリ思い付かない。何であんたなのよ。よりによって。裕貴ならもっと…いくらでも、あなたより何倍も素晴らしい人を選べるのに」
それは、私のせいじゃない。