ウソつき彼氏とニセ恋愛




私は普段何かに悩んだり、
疲れたりする時は必ず屋上に行く。



今日も、切羽詰まってやることたくさんあって、心も身体も疲れたから屋上に向かった。



扉を少し開けて、すぐに分かった。



普段はいないはずの人がいる……。



そっと覗くと、それは見たことのあるミルクティー色の髪の毛をした男の子で、

すぐに水瀬くんだと気付いた。



でも、その水瀬くんの表情は……



今までに見たことがないほど悲しくて、
今にも泣いてしまうほどだった。



「……はぁ」



ため息をついて空を見上げる水瀬くん。




そのとき、
“もしかして、これが本当の水瀬くん?”
って思ったんだ。


いつもの笑顔の水瀬くんは、
無理した水瀬くんであって、



本当の笑顔を、私たちは知らないんだ。



その日から、なんとなく……

水瀬くんが気になった。




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