ウソつき彼氏とニセ恋愛




「……ねぇ」



「まだ何かあるの?」



「千夏ちゃんに何かしたら、
俺、本気でキレるからね」



昴くんはそう言うと、
私の腕を引っ張って使われてない教室へ入っていった。



「……俺に隠してることあるよね?」



教室に入ってすぐ、

少し怒りを含んだような昴くんの目と私の目が合った。



「…………ないよ」



きっとこれは…



「ウソつかない」



…バレると思ったんだ。



今の昴くんには、
きっとウソなんて通じない。



雰囲気だけでそう分かった。




< 87 / 284 >

この作品をシェア

pagetop