鈍感さんに恋をした。


観客の中を探ってみたら、丁度中央の所に、小さな女子。


それが誰だか、俺はわかってる。


柳田莉愛、俺の大好きな女子。


「莉愛、今まで待たせてごめん。
でも、迎えに来た。
遅くなって本当にごめん。

俺と、付き合って下さい」


俺は俺なりに、本当の気持ちをドストレートにぶつけた。


こんなの、キャラじゃないのぐらいわかってる。


でも、ずっと、伝えたかったんだ。


「……はいっ。
お願い、しますっ」


莉愛からの、幸せ過ぎる答え。


あぁ、俺は夢でも見てるのだろうか。


幸せ過ぎて、溶けてしまいそうだ。


「…それと」


莉愛が俯き加減に言った。


「あたしも………
湯河原センパイの事、大好きです」






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