鈍感さんに恋をした。


だからいつも眠気と必死に戦ってる。


その間に


「じゃあこの問題を……柳田!」


こんな風に名指しされて、頭の中は勿論真っ白で。


中村くんが、こっそり答えを教えてくれて。


先生が、満足気に笑って、ホッと安心感を持って、また授業が始まるんだ。


そして午後の授業も終わり、放課後。


あたしが屋上に向かうと、案の定、中村くんが立っていて。


「どうしたの?」ってあたしが聞いた後、中村くんが言ったのは


「柳田さんの事、出逢った時からずっと好きでした」


なんて爆弾宣言。


「で、でも、あたし……」


断ろうとするあたしを、中村くんは優しく止めた。


「答えは、もうわかってる。
ただ、自分の気持ちを、正々堂々と伝えようと思った」






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