鈍感さんに恋をした。


「……はい」


ちょっとだけ怖かったけど、あたしは小さく頷いた。


…湯河原センパイ、普段学校じゃ見せないような、大人っぽい表情をしてた。


お互いの想い合っている唇が……今、初めて重なった。


あたしにとっては、ファーストキス。


ファーストキスが、湯河原センパイで本当に良かったと思う。


「湯河原センパイ」


唇が離れてから、あたしは湯河原センパイにそっと声を掛けた。


「ん?」


「……好きです。
大好きです」


今一番伝えたかったあたしの気持ち。


…湯河原センパイは、受け取ってくれたみたい。


「…へへ、俺も。
莉愛が好き、めっちゃ大好き」


湯河原センパイ。


あたし今、すごく幸せです。


      ---END---






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