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7章 偽りの幸せ
「映画を撮ろう!!」

雅也がそう言い出したの終業式の日のことだった。季節はすっかり夏に染まり、蝉達も自分の存在を象徴付けるかのように鳴き始めていた。

あの体育祭から、早くも一ヶ月が過ぎていてた。

つまり……浅香さんと令志が付き合ってから…二ヶ月が経過したということになる。

とは言っても学校ではあまり二人きりでいないようだが……。

まぁ今はそんなことを考えるより雅也の話に耳を傾けたほうがいいかな。

「何でこの時期に映画なの?」

静香の疑問に対し雅也は、やれやれと言いたそうにこう答えた。

「この時期だからだろ?来年の夏は勉強に追われることになる……。つまり遊べるのは今のうちなんだよ!」

「でも何で映画?」

渡が口を挟む。

「いつか俺達が大人になっても、あの日あの時、確かに俺達は、ここにいた。繋がっていた。っていうような気持ちに浸れるだろ」

雅也が熱弁を振るう。

「だけど誰が録るんだよ?」

「おじいちゃんだよ。前に話をしていたんだけど昔、映像研究部に所属していて、結構腕には自信があるようだぜ?」

俺の質問にまるで初めから答えを用意していたかのように質問に答えていく雅也。

「とりあえず今日はおじいちゃんの病院にいって撮ってもらえるか聞いてみよう!!」

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