裏切られた姫VS裏切った姫
ーーガラッ。

いつもどおりドアを開ける。

いつもどおりの光景。

でも足りない。

ココロが欲している。

あの日常。

みんなの暖かい笑顔と声。

あれさえあればよかったのに。

ーーギリッ。




ハッ。あの頃のクセか、歯ぎしりをしてしまった。

もう直ったと思っていたのに。

いや。違うか。またぶり返したんだ。



ーー『なんでっっ!!』

ーー『死ねよっ!この世から消えろよ!』



ブンブンッ

私は頭を思いっ切り振った。

思い出したくもない、あの光景を振り払うように。


< 3 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop