告白よりも、ときめきを
・冷めるから…

…こんな場面ばかりだと、私は自分にいいことだけあったらそれでいい、そんな人間みたいに映るだろう。
でも、そう思われても仕方ないのかも知れない。
今だって観たかった映画は誘われるまましっかり観て、それから…後で断りの話をしてるなんて…。
都合良すぎて酷い、と思う。

…なんだか気になるなと意識して。
それからその男の子が話し掛けてくれたりする度にドキドキ、人と話しているふとした笑顔にドキドキ、少し近づいたりするとドキドキ。
…そんな私の動揺している態度で、気持ちは相手に徐々にばれていく。間違いなく気がある。そう確信を持たれ…。やがて告白され、付き合う事に…だ。
…どうだろう…最初こそ、嬉しさもありドキドキもあったが、それが段々薄れるような気がして来る。
言いたい事を話せるようになるのはいいけど、馴れ合い過ぎて“ドキドキ"はドンドン薄れていく。
恋愛って、そういうモノでしょう?

当たり前なのだ、お互い知らなかった部分を知っていく事が増えるのだから。永遠、最初と同じドキドキを求めるのは無理というもの…。
つき合えば、失いたくないと思うし、もっと一緒に居たいと思う、何でもないことにヤキモチも妬いてしまう。
…結局、私は我が儘で臆病なだけなんだ。
だから、それ以上進みたくない…、ずるくても…このまま自分勝手に。
ドキドキだけがあればいい…になってしまうんだ。
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