ねぇ、どうか泣かないで。
どうして
本日は久しぶりの秋晴れ。
ここ数日は真冬かよ!と思うくらい寒かった。
いやもう、ホントに。
そんなわけで、こんなに天気の良い日は絶好の屋上日和だよな!と意気揚々と友人を誘ってみたけど全滅。
…あいつらなんか友達じゃねぇ。
それでもめげなかったオレはただいま1人、
屋上で母親の作った弁当を広げているわけなんだが。
…誰もいない。
え?皆屋上で飯くったりしねぇの?
俺中学生の時とかちょー憧れてたよ?
は?寒い?
知るか、子供は風の子。
そして男はいくつになっても少年なんだよ。
なーんて1人脳内会話をしていたら、屋上でも、日の当たらない、人も寄り付かないところから密かに何かが聞こえた。
「…っ…ふ」
…おいおい、幽霊?
まさかこんな昼間からとか、しかももう秋だぜ。
幽霊さんも営業期間終わってる頃だろ?
それとも俺以外に誰かいるのか?
俺は勇気をだして近づいてみることにした。
勇気ある若者だからね。好奇心には勝てないってことだよ。
「……っひく…ふ…」
そこにいたのは
幽霊なんかじゃなくて
「…寂しいよ……っ…」
屋上のすみで小さくなって泣いている女の子だった。