プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「......別に秀に合わせたわけじゃないからね?
当時メジャーリーガーと海外暮らしに憧れてて。
それだけ」


こんな文集にまで書いたことはすっかり忘れていたけれど、思い出してみれば確かに当時はそんなこと考えていたような気がする。

別に秀と結婚したくて書いたわけじゃない......、はず。


もしそうだったとしても、普通ならこんなの、子どもの頃のことだから、で終わるはずなのに、この前のバッティングセンターでの件があっただけに、妙に気まずい。



「そうですか。
それなら、加藤さんが合わせたんですね」

「あのねー......っ!
この前も言ったけど、ありえないから。
秀は幼なじみなの。

あたしは、秀の初めての彼女から初体験の相手まで知ってるのよ?今さらあたしたちがどうこうなるとか、絶対ない」


あたしの言葉には何も返事を返さず、ただじっとあたしをみる一輝くん。

一輝くんは無言でカバンから、野球の雑誌を取り出して、あるページを開いて、それをあたしに渡した。


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