プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
そしたらまたあとで、と軽く唇にちゅっとキスをしてから、一輝くんはトレーニングルームを出ていった。


......んー、どうするかなぁ。

乱れた服を直しながら、よいしょと机の上から飛び降りる。






「あ......、みのる」


部室からジャージをとって、私服から着替えようとグラウンド付近を歩いてると、ちょうど下駄箱から出てきたみのるとバッタリ会った。


「こんにちは。......どうかした?」


挨拶もしないあたしを不思議そうにみる、いつもと変わらないみのる。


もう全部一輝くんに言っちゃおうか。
きっと、みのるはそうしてもいいって言ってくれる。

今、正直に一輝くんに全部打ち明けたら、一輝くんの怒りを買うのは、みのるだけ。


後でバレたら......、それだけでは済まされない気がする。

あたしと一輝くんの関係、ただそれだけを考えるのなら、今言っておいた方がいいに決まってる。


......でも。


「実はさ、さっき、」

「ん?」


いつもと変わらない穏やかなみのるの顔を見て、やっぱり言えないと口を閉じる。

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