プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「初対面でいきなりおとうさんはマズくね?」


あきれたように一輝くんを見ながら、あたしが思ったのと同じことを、こっそりとあたしの耳元でささやく裕貴。


「大丈夫!
おとうさんって言っても、そういうおとうさんじゃなくて、みどりさんの!おとうさん、の省略系だから!
深い意味はないんだよ。だから、セーフだよ」

「いやアウトだろ」


アウトだセーフだと、裕貴とこそこそやっている間にも、一輝くんは打ち合わせもあったものじゃなく、また全てをぶち壊していた。

今度は軌道修正しようのないくらいに。


「みどりと同じ野球部?
じゃあ、みどりとも友達なんだ」

「違います!
みどりさんとはお付き合いさせて頂いてます!」


......一輝くん。

今までは友だちって言われた時に毎回毎回腹が立ったけど、今回だけは友だちってことを肯定してほしかった......。


「......。
それで、彼は、裕貴の友達なのか、みどりの彼氏なのか、結局どっち?」


大体もう分かってるんだろうけど、あたしと裕貴にそう聞いてきたパパに、あたしたちは顔を見合わせる。



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