プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「一輝くん、明日からキャプテンだね!
一輝くんのキャプテン姿見たいな~、見に行っちゃおうかな~」

「......」

「そういえばあたしと理穂がいなくなったらマネいなくなるけど、どうすんの?なんか内巻き、じゃなかった早川さんがマネージャーやろうかな、とか恐ろしいこと言ってたけど、知ってる?」


森村をかわし、一輝くんと一緒に電車にのったものの、さっきからあたしだけが一方的に喋り続けている。

強引に手をつないでも、全く握りかえされない手と同様に返事も一向に返ってこない。

自分から送っていくって言ったくせに。


電車を降りて、家の近くの駅を出てからも何の反応もなかったので、もうなんか色々むなしくなって、自分から手を離した。


「今日の最後の打席、ストレートだけを待ってました。
ストレート一本に狙い球をしぼってました」


日が暮れて、赤く染まった空。
社会人の人が帰ってくるには早いし、夏休みだからか、あんまり人もいない。

あたしたちだけ取り残されたみたいな世界に、あたしから距離を保ったまま歩く彼氏。


「うん。ストレートじゃなかった?」


ようやく話してくれたのはいいんだけど、なぜか敬語で話してくる一輝くんにさみしさを感じつつ、言葉を返す。

ストレートに見えたけど、実はチェンジアップだった?
思ってたコースよりちょっと落ちたとか?


「ストレートでした」


悔しさをにじませるどころか、表情も変えずに、一輝くんは冷静にそう答えた。
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