プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
放課後の図書室なんて、あたしはほとんど利用したことないけど、バリッバリの進学校かつ生徒の自主性に任せて補習授業は一切行っていないここ星ヶ丘では、自主的に残って勉強している人も何人かいる。

今日はざっと見、二十人くらい?


金茶色の巻き髪に、ハデなメイクと露出多めの服装のあたしと、見るからに野球少年の一輝くんが図書室に入ると、一瞬注目を浴びたけど、すぐにみんな自分の勉強に戻った。


「いる?榎本実」


小声で一輝くんにささやけば、一輝くんは図書室を見渡すとお目当ての人物を見つけたのか、一直線に進んでいく。


「実先輩、こんにちは。
この前の話、考えてくれましたか?」


一輝くんが笑顔で挨拶したのは、一人で参考書を開いているメガネをかけた男。

顔は悪くないのに、服装が適当にそこらへんで買ったような感じでいまいちイケてない。

あたしが名前を知らなかったのも無理ないくらいに、なんか地味でいかにも優等生って感じ。

髪形と服装さえなんとかすれば、モテそうなのに。


てか、運動できそうにないけど、本当に野球やってたの?


「ああ、きみ、小野くん、......だった?
その話は断ったはずだよ。
僕はもう野球はやめたんだ」


あたしが疑いの目でみている間に、榎本実は顔を上げて一輝くんを見ると、すぐに参考書に視線を戻す。






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