シュールな関係



「雅也さん 許して下さい


この話はなかったことにしてもらえませんか?


わたしとではきっと幸せにはなれません


借金があって家庭環境も

良くないわたしと

華やかな世界のいるあなとでは

価値観の違いも必ず出ると思う


好きだ愛だと言ってるのも若い内だけ


いずれ絶対に後悔するわ



ご両親が選んだ方なら間違いないです


あなたの幸せを考えて選ばれた方なら

わたしより幸せになると思う



だから


その方と幸せになって下さい



あなたは大切な人だから

わたしとの愛だけじゃダメなのよ・・・




わたしは



わたしは――――





辛いけれどあなたの為に別れます」


何にシンクロされたのか感極まって瞳に涙が浮かぶ






わたしってアカデミー主演女優


になりきっていたかも・・・と思ったのは冷静になった後のこと。



「はあ!?」 


何故か目の前の一之瀬さんの

顔がとっても不思議顔に見える。


って言うより彫像のような横顔から苛立ちから憤慨のオーラに変わるような…?



あれ?

どうしてそんな顔するの?



わたし何か変なこと言ったかしら?




「奈緒・・・

おまえ何言ってるか

分かって言ってるのか!?」



力強く手を握られ

怒りをあらわにし、声が大きくなっている。



まさにブチギレ寸前ってこんな顔?



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