シュールな関係
緊迫した空気の中

「今日はありがとな」

わたしを見つめ、愛情を含んだ優しい声で

手を握る




その手を見つめながら

限定の羊羹を買ってこさせて

良かったわ・・・


下手なのも渡したら笑いものだったわ


冷静に考えているわたし



念密な打ち合わせをしたけれど

植えつけられた不信感と

一之瀬さんには騙されないと

頭に刻んだ般若の顔が脳裏から離れない・・・




紅茶を少し飲んだところで母の口が開いた


「雅也にお見合いの話をしたら

付き合ってる方がいらっしゃると聞いて


是非 奈緒さんにお会いしたいと

思って来ていただいたの


申し訳ありませんでしたわ


単刀直入にお伺いいたしますけど

奈緒さんは結婚についてはどうお考えですの?」



早速飛びでた想定内の質問



「結婚はいずれ――――」





答えようとすると同時に

一之瀬さんのお母様が、封筒から書類を出した。

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