親指姫な彼女と普通の俺

おジジの再登場とお姫様についてです

家に帰ると、とてとてとシュシュが出迎えてくれた

「おかえりなさい!海斗さんも!」

「よぉ 健康状態に問題なさそうじゃねぇか」

(それ ペットみたいな…)

海斗にお茶を出して、シュシュにはペットボトルのキャップで林檎ジュースを出した

「シュシュ!海斗が服くれたぞー」

そう言って3着のワンピースを出した
ピンク 緑 水色 それぞれ形の違う
可愛らしい物だった

「まぁー!すごい!ありがとうございます!」

「黄色は待っとけ 製作中だ」

(まだあるのか…!海斗よ…!)

ぺこぺこお辞儀をして、台所の影に着替えに行った

「海斗、喜んでくれてよかったな」

「あ? …おう まぁ喜ばないなら全部没収してやった」

口元がにやけているが、見なかったことにしておいた
とてとてとシュシュがやってきた

「すごいです!ピッタリです!」

緑色のワンピースをひらひらさせて
飛び跳ねた

「よっしゃ すげー達成感なう」

「うわー!すごいなほんと」

そのまま太陽の手のひらに乗った
恥ずかしそうにもじもじしている

「あの… ど どうですか?」

「ん?どう…とは?」

その時肋にとんっと肘打ちされた
海斗の顔は言ってやれと口ぱくをしている

「???」

「あの 太陽君 えっとー…無いならいいの…」

「? 似合ってるよ すげぇ 可愛い」

「あう! …あ あ ありがとう…」

「どういたしまして」

(鈍そうにみえて結構言うじゃねぇかこやつめ)

「おい シュシュよ」

腕を組んで、顔を近づける

「何ですか?海斗さん」

「お前 種売ってるジジイのこと知らねぇのかよ」

そう言うと考え込んで、テーブルの上にぴょんと乗った

「わかりません 種の時は気がついたらあの人の所にいたので…」

「うーん 手がかりなしだね」

「ちくしょう こうなったら夜にうろうろと歩き回るしかねぇな」

ぴょんぴょん跳ねながら
姫は手を元気よくあげる

「わ 私も行きたい!」 

「それは駄目だな シュシュに何かあったら危ないからさ」

太陽の言葉に
嬉しさと残念さがこみ上げた

「わかりました…」

「まぁ 今はしょうがねぇな そのうち太陽が何とかしてくれるってよ 」

その言葉に照れたようにはははと笑った
姫は嬉しそうに頷いた

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