白い花が咲いたなら

「……よかった」


 彼の目が、とても嬉しそうに細められた。


 そんな近藤くんの素敵な笑顔を見たら、あたしの気持ちも嬉しくなる。


 くすぐったいような柔らかい気持ちが、体中の緊張をほぐしていった。


 帰り道をふたり一緒に、楽しくおしゃべりしながらテクテク歩いていく。



 ところが、またまた彼から爆弾発言が飛び出して、そんな穏やかな空気が吹っ飛んでしまった。


「怜奈、手ぇ繋いでもいいか?」

「……!?」


 ……手!? 手!? 


 手ぇ繋ぐうぅぅーーーー!?


 しかも、いきなり名前呼び捨て!?


「れ、れ、怜奈ってなによ!」

「ん? お前の名前」

「知ってますそんなことは!」

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