白い花が咲いたなら

 しゃべる猫とイケメン。


 どんな組み合わせよ、それ。


「知らね。なんでも化け物を退治する、不思議な能力の持ち主らしいけど」


 近藤くんは肩をすくめた。


「俺も退治されるのかと思ったら、『幽霊退治は、僕の役目ではない』だとさ」


「幽霊って、そんなロコツな……」


「『キミ、自分のことは自分でなんとかしたまえ』って言って、ソイツはそのまま立ち去った」


「役に立つんだか立たないんだか、よくわかんない人ね」


「いや、わりといいヤツなんだと思う」


 その時のことを思い出したみたいに、近藤くんはクスッと笑った。


「ホントは見逃してくれたんだと思う。たぶんな」


 ふうん。

 よくわかんないけど、近藤くんが退治されなくて良かった良かった。

 ありがとう。門川くんって人。

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