好きっていうまでは

「…でも。私は日本を出ても頑張れる。」

自信満々の笑顔で俺を見る。

そして右手の甲を俺に向け、薬指を指さす。


「これが、私を元気にしてくれる。私を励ましてくれる。

私に…るいのこと思い出させてくれるから。」


「彩華…」

「なーんて。ちょっとかっこつけすぎ…」


俺は彩華を力一杯抱きしめてた。

「痛いよー。」

痛いって言ってるくせに、少し嬉しそうな顔をされて、

離す気は無くなった。
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