好きっていうまでは
その日から、るいと彩華が話してるところをよく見た。


だから俺も、彩華のこともっとよく気にかけるようにした。


だって、彩華は俺が守るから…


誰にも渡したくないし、渡さない。

るいにも、他の誰にも。


そう思ってたのに、祭りで焦ってキスして。


ほんと、何やってんだ俺。


ごめんつったって、彩華には謝る意味を理解してもらえてないだろうし。


俺のことお兄ちゃんだと思ってるとか…言ってたし…

男として見られてねーのかな。


「お前はびびって逃げてるだけだろ」

ストレートにそう言われたのは初めてだった。

るいは、俺が幼なじみって言葉を良いように使って

逃げてるとか言ってきた。



じゃあ、逃げてねーとこみせてやるよ。

見てろよ。
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