好きっていうまでは

「なーるほど。私に相談なんて!

珍しぃ!ってわけでもないか。」

放課後、部活に行く前にちょっとだけ残って相談に乗ると言ってくれた。

奈央は、なんか恋愛のことよく知ってそうだし。

『わからない時は、専門家に質問するのが解決の近道。』

と昔、先生に言われたのを思い出す。


「難しい質問するね、彩華は。」

「好きって…私にはわからないの。」

奈央はすこしうつむいて考えたようにした。

「やっぱり、一緒にいてドキドキするとかじゃない?

なんか、この人といるとドキドキして、

目とか合うとずっと見つめてたいみたいな!?

手繋ぎたいとか、抱きつきたいとかキスしたいとか。

そんな感じよ。」

「奈央は、片原さんとそうしてたいの?」

「…まあ、そうかな!」


奈央は照れたように顔を、薄紅色に変えた。

< 95 / 252 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop